移動平均線を引いてみよう

移動平均線で傾向を見る

単純な値動きは移動平均線で獲る!

ライントレードでは天底や押し目で簡単に買う事が出来ます。しかし、伸び始めた後の簡単な相場では移動平均線で値幅を取れます。この項目はライントレードでもないのですが、傾向を見る方法の一つとして有力な「移動平均線」の使い方をご説明します。

なお、ライントレードではこれをファンやチャネルで行い、同じかそれ以上の効果を得る事が出来ます。

トレンドが出ている場合の移動平均線の見方

まずはチャートをご覧下さい。

これは月足から5分足まで、全てにおいて上昇基調になっている時の相場です。日足は下落から上昇へ2・3日転向しただけですが、他は移動平均線も右肩上がり、200MA よりも75MAよりも25MAよりも上に値段が位置しています。

ではこのようなケースでは、どんな売買が相応しいでしょうか?

「買い」ですよね。短期トレードでも買い、長期トレードでも買いという、一番分かりやすい値動きです。まずこのような傾向を認識して下さい、という事です。上昇なのであれば買う、それ以外の選択肢はありません

ただし、これまで数か月間続いて来たのが実は下落トレンドです。よく分からないと思うので、月足チャートを見てみて下さい。6か月間下落しています。この時は売りしか選択肢がないのです

どうです?(笑)難しいですよね。

移動平均線で分かるのはあくまでも傾向なので、月足が上昇基調だと言っても何か月も下落する事があります。とてつもない長期間買いで保有したいというのであればそれでもいずれ上昇へ転じる可能性が高いでしょう。

それより短期であれば「週足や日足が上昇基調なのか、下落基調なのか、それとも下でご説明する持ち合い相場なのか」を見て傾向を判断する必要があります。幸い、200MA(日足では200日移動平均線)は200個分のローソク足の終値の平均値なので、200日前という結構前からの傾向を知る事が出来ます。それより上か下かをまず見ます。

次に、75MAより上か?そして25MAより上か?を見ます。

これが各時間軸にあります。当然、優先されるのは時間軸が大きな方です。4時間足より日足のMAの方が重要です。

日足で200MAよりも75MAよりも25MAよりも下にいる時に、4時間足で上昇に転じたとしても基本的には買わず、最低でも日足の25MAを抜けて75MAを抜けてと上昇へ転じている事を確認してから4時間足では買います。

同じ理屈で30分足ではどうでしょう?4時間足で買いに転じた事を確認し、30分足でも買いになっている事を確認して買います。この時、伸び切っていれば戻る可能性が高いため、30分足の25MAよりもさらに大きく上に離れているタイミングで買うよりも、極力近い値位置で買った方が無難です。

※なお、移動平均線として一番基本となる設定値について最初にご説明しています。25MAを使うべきだという話ではありません。

5分足では30分足を同じように環境認識にして買うと、勝てる可能性は高くなります。

200MA 75MA 25MAが順番に並んでいる時を「パーフェクトオーダー」と言い、完全に上昇中である事を意味しています。上位足でパーフェクトオーダーになった時に下位足で(例では30分足が上位足で5分足が下位足)、まだそれほどMAより離れていない状態であれば上昇時に取れる値幅が残されている可能性が高いでしょう。

とまあそのようなシーンが移動平均線の売買としては一番向いています。これはライントレードのマニュアルなので、この程度の情報で十分かと考えます。次に、持ち合い時の移動平均線の見方について。

持ち合い時の移動平均線の見方

先ほどのトレンドが出ている時の日経平均株価の値動き(しかも6か月ぶりの上昇)を見て、「移動平均線で買えば簡単!移動平均線が押し目になって上昇するのかなあ?だったら移動平均線だけ出しておけばいいじゃん。」と思われた方は要注意です。

こちらのドル円相場では、移動平均線をはみ出してはみ出して…、1時間足や4時間足で移動平均線を押し目にしようもんなら(移動平均線で跳ねると思っている)損失だらけになってしまいます。5分足では下落、15分足では持ち合いから下落です。(短期トレードの話で、日足以上では上昇トレンドです)

トレンドが出ている時と持ち合い時の移動平均線の見方の違いは何でしょう?

トレンドが出ている時は、200MA 75MA 25MAと順に並んでいました持ち合い相場の今回はMA同士がクロスしたり、75MAを越えては戻っていたりと、アップダウンによってとても分かりにくく、タイミングが取りにくくなっています。

傾きがなく、上下にクロスし、またはローソク足が上に下に抜け、MA同士の広がりが大きくなっていくという様子も特にない。このような場合が持ち合い相場です。

トレンド相場と持ち合い相場での売買の違い

トレンドが出ている時はMAが順番に並んでいる(一番分かりやすいケースで)。持ち合い相場ではMAはクロスしながら横へ動いている。

上位足でトレンドが出ている時は下位足でもトレンドが出る事が多く、上位足で持ち合い相場なら下位足でも持ち合い相場になる事が多い。

そして、トレンド相場なら上位足でのトレンドを確認して、下位足では伸び切っているわけではない(値幅が残されている)段階で買えば、値幅を取れる可能性はあります。


持ち合い相場では移動平均線で勝とうという考えは捨てた方が良い。

(笑)

素直に諦めて、フィボナッチを引きましょう。

持ち合い相場のフィボナッチは色々やり方はありますが、基本的にそのエリアの高値で売って安値で買う。これだけです。

そして、この方法か、時間軸をトレンドが出ている段階まで変えてからトレードする以外に、持ち合い相場で勝つ事は難しいです。

トレンド相場でも「どの値位置で反発するのか?」という点において(どの値位置の押し目で買うか)、移動平均線で反発すると考えるより、フィボナッチの値位置で反発すると考える方がより正確な値位置で買えます。そして、正解である可能性も高いです。

ただ、移動平均線が役に立たないか?というとそうではありません。


移動平均線の目的は「傾向」を見る事。

何も売買ポイントにする必要はないのです。今が上昇トレンドなのか、下落トレンドなのか持ち合い相場なのかが分かれば良い。しかも、上位足ではどうか、下位足ではどうかという点まで見れると最高です。

上昇トレンドであれば、押し目またはラインブレイクなどの正確な値位置で買います。下落トレンドであれば、同じようにラインブレイクや戻り売りポイントを探して売ります。持ち合い相場であれば、高値圏で売って安値圏で買います。ただ、今がトレンド相場なのか持ち合い相場なのかが分からなければそれすら無理なのです。

よって、移動平均線はライントレードにおいても無駄ではなく、簡単な指標としてトレンドか持ち合いか(そしてどの程度か)を見定め、次の段階でラインによって売買すれば、そのトレードが成功する可能性を段違いに上げる事が可能になります。

移動平均線とライントレードの組み合わせ方(表示について)

同じチャートに移動平均線とラインを表示しても良いのですが、少し見にくくなってしまう可能性があります。

また、ライントレードだけでトレンドか持ち合いを判断するにはフィボナッチファンやギャンファン、フィボナッチチャネルなどを引いておいた方が良いため、別のチャートシステムに分けて表示するのがお勧めです。

例えば、パソコンのチャートではラインだけを表示し、ラインが引きにくいスマートフォンで移動平均線だけを出しておき値動きの傾向を見る。

またはパソコンで2つのチャートシステムを出しておき、一つでは移動平均線だけを表示する。もう一つではラインだけを表示するという手もあります。

スマートフォン表示 トレンド相場
スマートフォン表示 トレンド相場
スマートフォン表示 持ち合い相場
スマートフォン表示 持ち合い相場

追記;移動平均線の設定値は何が正解?

ここでご紹介した移動平均線の設定値は基本的なものです。

200MA 75MA 25MA

ただ、あくまでもよく使われる設定値であって、必ずしも正解とは言えません。

200MAは外せませんが、他の2つはトレーダーによって異なるケースが多いです。

私の場合も違います。

移動平均線の設定値についてかなり面白い研究を続けており、デイトレード用のセットアップなどを作成してみました!次の動画などでご覧下さい。

移動平均線のセットアップ(短期)

一度観ただけで分かるトレード手法ーMA編ー

15分足、1時間足、4時間足という3つ時間軸専用のセットアップです。メリットは「大きな時間軸に切り替えなくても、長期足の移動平均線の具合だけは分かる」という点です。さらに、インジケーターで背景に長期足を表示しておけば楽です。

この動画の方法では 50MA 200MA 800MA この3つのSMA(Simple Moving Average)を利用します。

実は25MAよりも50MAの方が機能する可能性が高い!

私はライントレーダーなので移動平均線に絶対の信頼を置いているわけではありません。しかし、研究の結果
SMAの50MAと200MAは他の設定値よりも押し目や戻り売りポイントになりやすいという事が分かりました。

800MAは時間軸を変えた時の50MAや200MAを表示するために出しているものです。つまり、15分足の800MAが1時間足の200MAであり、4時間足の50MAと大体イコール。

これらのシリーズは勝ち方実戦編フリーパスプランというパッケージで全て視聴出来ます。ご興味があればチェックしてみて下さい。

この移動平均線をベースに、普段のフィボナッチやギャンのツールを組み合わせてみよう!という短編企画です。

移動平均線とラインのデメリット

両者の得意不得意な点をご紹介します。どのようなケースで負けやすいのか。

ライン

ライントレードはごちゃごちゃやっていると負ける。
移動平均線と違い、平均という傾向だけを見た売買ではなく、高値安値を基本に考える売買なので、方向性や流れの把握がおろそかになりがち。
有利な値位置では買えるが、トレンド中に逆張りをしてしまいがち。
引き付けて買って、天底や押し目での損切りカットにもかかりがち。

移動平均線は引き付けられないから負ける

引き付けて反発すると思ってもラインと違い、一度割れたり戻ったりを平気でするし
同じ設定値の移動平均線を引いているトレーダーが買わないとそれ以外に特に反発する理由もないため、何の意味もなさない。
設定値自体は何が正解か?という疑問も湧いてくる。
ema sma とトレーダーによって違ったりもする

例えば、21SMA(単純移動平均線)と21EMA(指数平滑移動平均線)では価格が違う。先ほどからご紹介してきた25SMAとはもちろん価格が違う。50MAとも違う。

では、下落して来た時に押し目買いをしようとすると・・・こうなります。

どの移動平均線で跳ねるの?(笑)

答えは「分からない」。トレーダーによって使っている移動平均線は違うから。まるでばらばら。

このように、押し目買いには相応しくないのが移動平均線というツール。ただ、傾向を見るだけなら優秀だと言える。

つまり、どうしたら良いのか?

両者、一長一短ある。

傾向を把握したラインでの売買が最強。

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