基本的な値動きが実際にありましたので、図解しました。まずはご覧下さい。
一緒に図にしてしまいましたが、ダウ理論は丸と水平線を、エリオット波動原理は矢印とナンバーを見て頂ければと思います。
まずはピンクの丸を安値、黒の丸を高値として、その「高値安値が切り上がるか」どうかです。
高値も安値も切り上がっている時、それはアップトレンドです。安値が切り上がって高値が切り下げた時は持ち合い。安値も高値も切り下げている時はダウントレンドです。
前半がアップトレンドで、現在はどうやら持ち合いまたはダウントレンドですよね。安値を一つは切り下げていますが、近いところにある安値を切り下げていませんから。
なお、ここで言うダウ理論とは6つの基本法則の中の6つ目、「トレンドは明確な反転シグナルが出るまで継続する」についての話です。
※6原則については最後に載せておきます。
高値安値が切り上がり続ける限り、上昇トレンドは継続する。
このような考え方の事を話しています。
底から「1波が上昇、2波が下落、3波が上昇」という具合に5波まで上昇すると考えます。2波と4波は調整の波で、1波・3波・5波よりも基本的に小さな値動きとなります。
3波は1波よりも大きな値幅になります。3波と5波がどちらが長いかは諸説あります。5波で必ず終わるわけではなく、延長する場合があります(注意)。あくまでも基本が5波という事です。
次に、上昇が終わるとこれまでの上昇幅に対する戻りが発生します。これがa波b波c波です。この上昇に対する修正の波は5波にはならない、というのが基本です。
1波や3波の中にさらに小さな5波とa-c波があったり、6波7波と延長したり、簡単な値動きにはならないのが相場なので気を付けて頂きたいですが、上のチャートはまさに基本通りとなりました。日足のユーロドルです。
ダウ理論では安値も高値も切り上げていればアップトレンドなので、高値が切り下がるまではずっと買いです。エリオット波動原理では5波で基本的には終わって修正の波が3つある。3つあるという事は、a波の下落、b波の上昇があり、c波でa波の安値を切り下げるわけですが、それがダウ理論としてダウントレンドが決定した瞬間でもあります。高値も安値も切り下げていますから。
そうですよね?
しかし、修正の波は5つにならず3つとなるのであれば、「そのダウントレンドが決定した瞬間」が最後の下落の波です。
3つで終わってしまいますから。一つ一つの下落の値幅(a波c波)が大きければ良いのですが、そうとも限りません。
また、a波の安値を割れてから売ってもそれが最後のc波ですからすぐに終わってしまいます。売るならb波の上昇の途中か、b波→c波に転じたタイミングで売らなければまともな値幅すら取れないという事です。
次に安値を切り上げた場合は持ち合いなので、高値をそのまま切り上げて行くかも知れません。ダウ理論だけでは完全に高値安値を切り上げるまで上昇と分からないので買えないという事です。
この時、エリオット波動原理の基本を使えば、
「上昇の5波での高値切り下げなのであれば、その後の下落を疑うべき。」、「3波の高値切り下げなら4波→5波とまだまだ高値を越えて行くだろう。」このように考える事が出来るのです。
つまり、3段階上がった状態(5波)から調整して下落し(a波)、再度上昇する(b波)も高値を切り下げたようなシーンでは、まだダウントレンドとは言えないが、高値に損切りを置いて売ってみる。ただしa波の安値を割れれば適当なところで下落が止まる可能性があるので、適時利食いする。
このような事になります。
下落が終わって、次もまた上昇なら、1波→5波へと上昇する可能性が高いので、2波の安値か1波の高値を越えた辺りで買って3段階の上昇を待つ。ず~っと基本的なエリオット波動原理の値動きになるのなら(笑)、これだけで値動きにフィットします。そうではありませんが。
『切り上げを確認して上昇とみなし、切り下げを確認して下落とみなす。』これがダウ理論です。よって、図のような形を見て売買する事になります。
図左の切り上げているシーンではその後の上昇を想定して買います。
この時に、「前の安値を割れずに切り上げる」と考えますので、その安値に損切りを置いて買います。
図右の切り下げているシーンでは同じように、安値の切り下げ後の上昇で、前の高値に損切り置いて売ります。
そして、そうしていればこの場合、全ての売買で成功しています。
チャートに表示したのが「ZIGZAG」というインジケーターです。数値設定により、捉えられる高値安値が変わりますので色々試してみて下さい。
(1)平均はすべての事象を織り込む
(2)トレンドには3種類ある
(3)主要トレンドは3段階からなる
(4)平均は相互に確認されなければならない
(5)トレンドは出来高でも確認されなければならない
(6)トレンドは明確な転換シグナルが発生するまで継続する
※詳しくはWikipediaのリンクを貼っておきますのでご確認ください。
最初の平均はマーケット、または価格の事です。移動平均線ではありません。全てを価格に織り込み済み!情報が早いトレーダーが先行して買って、値を動かしますからね。確かに早い段階で織り込まれます。また、下落も悪材料が価格に織り込まれると安心して上昇に転じる事があります。
複数の指数が同じ方向を示す。
これを現在に応用するなら、NYダウもS&P500も上昇(=株高)・ユーロ円もポンド円も上昇(=円安)というような事です。複数の同系統の商品を見て、マーケット全体の方向を掴もう!
このような話です。
トレンドの3種類は、主要トレンド(1年以上)、二次トレンド(3週間~3か月)、小トレンド(3週間以内)と訳されています。大きなトレンドの中に中規模のトレンドがあり、その中に小規模なトレンドがあるのは、エリオット波動原理での考え方に似ています。今がどの段階にいるのかを意識する癖を付けましょう。
主要トレンドの3段階は、要するに仕込み、上昇、急騰のような値動きの事です。トレンドの最後に暴騰!したらトレンドの終焉を疑うべきですね。※先行期、追随期、利食い期と訳されています。出来高はお分かりでしょう。
まずはこちらをご覧下さい。
エリオット波動原理の売買ポイントとフィボナッチを合わせたらこのチャートのようになります。
基本的にはエクスパンションを合わせるのが吉でしょう。
この動画での説明が「オンライン学習コース アドバンス講座」です。基本になりますので、是非ご受講下さい。
ダウ理論のような高値安値の切り上げ切り下げを、エリオット波動原理ではもう少し大きな枠で考えます。
図左の下落しているシーンでは3段階の下げがあり、図右の上昇しているシーンでは5段階の上げとして考えました。
このチャートはFXのユーロドルなので、実際はどちらが上でどちらが下か?という点をよく見る必要があります。
株でもFXでもそうですが、トレンドが出ている方が基本的には1~5波の方で、その戻りがa~c波となります。ただ、株の場合は買いがメインなので上昇が基本的な方向性となるケースが多いですね。
このようにダウ理論より大きな波の捉え方をし、現在の位置とその後を考えて売買に活かします。
エリオット波動でのサイクルにはダウ理論よりも大きなもの、スーパーサイクル(約50年のサイクル)などもあります(笑)。また、小さなサイクルにおいても、一つ一つの波ではなく5波3波で一括りにして考えます。
このように勉強すると相場構成も分かるようになり便利なのがエリオット波動原理です。
しかしながら、捉える波の大きさによって今が何波なのか?が分からなくなってしまう事もあります。シンプルで基本的な形ではなく、複雑な形になったり、一つの波の中にさらに小さな5波3波が存在する場合もあります。
本気でエリオット波動原理を学ぶのであれば、書籍が幾つが販売されていますので探してみて下さい。※「エリオット波動入門」がオススメ。「エリオット波動研究」ではありません(これは廉価版です)。
今回は基本形を覚えて頂きました。
ダウ理論とエリオット波動原理を併用して値動きを考えるクセを付ける事をオススメします。一番多く出現するこの基本形になった時には、かなり有利な売買が出来ます。
そして、応用となる値動きは基本形から派生したものですので、それほど難しくはありません。5波ではなく7波まで延長する、など。ただしエリオットによる波の種類は、実は沢山あります(笑)。
以上、簡単ですが解説とさせて頂きます。
エリオット波動原理とダウ理論のサイクルの違いや、エリオット波動原理とフィボナッチを合わせた売買方法を分かりやすく説明したのが「オンライン学習コース アドバンス講座」です。基本になりますので、是非ご受講下さい。
エリオット波動原理やダウ理論の専門家ではありませんが、フィボナッチトレーディングの専門家としての見解です。