エリオット波動原理をトレードで使うコツ(正しいナンバー?)
エリオット波動原理をどうトレードに活かすか。それを話していきますので読んでみてください。

エリオット波動原理とは?
≪R.N.Elliott(ラルフ、ネルソン、エリオット)≫が考えたからエリオット波動原理。
1波2波3波4波5波とA波B波C波という『三段上げの二段下げ』の原則を(基本原則として)語ったものです。
推進波(図では上昇)は1波~5波で、修正波がA波B波C波。
5波までを推進波(または衝撃波)と言い、A波~C波を修正波と言います。
(細かい話は覚えなくて大丈夫です。しかし上の図は覚えてください。)
下落方向に修正波が始まると、A波とC波が下落でB波が調整の上昇です。
エリオット波動原理の注意点
①上の図にも書いたように、ナンバーの形式「1か、Ⅰか」「Aかaか」などに実は違いがあります。
これは波の規模による分け方サイズの違いです。詳しくは後でご説明します。
②上昇が必ずしも推進波ではなく、トレンド方向が推進波です。
そのため、下落方向へトレンドが出たら「下落1波」などと表現し、下落が推進波(1波~5波)で上昇が修正波(a波~c波)となります。
③ポイントは推進波が5波あり「修正波は5波にはならない=3波で終わる」ということ。
修正波は5波進んだ後の調整の時間なので、トレンド方向とは逆に進む波の数は少ない。「トレンド方向に長く伸びる」イメージは理解出来るでしょう。
※今回の記事では分かりやすくするために「上昇方向が推進波のチャート」を選んでありますので、この下の記事は「上昇5波」という簡単な表現に留めてあります。
で、ここからが重要ですが、まずチャートをしっかりと確認してください。
本当にそうですか?本当にそうなっていますか?
そうなっている時もあれば、そうなっていない時もあるはず。
ただ、そうなることは多い。
重要なことは、次の2つです。
- 『今がそのパターンかも?』と疑うこと
- 今はエリオット波動原理の何波にいるかを常に考えながらトレードすること
例を挙げます。
エリオット波動原理の例

上昇5波下落3波の中にいるのであれば、「次はどうなるのか」を考えながらトレードします。
5波(天井へ向かう最後の上昇)の天井で買ったらもう遅すぎます(笑)。
※間違っても1波や3波や5波(上昇局面の高値)で、高値掴みさせられないように!
①【買い場】2波と4波(上昇中の調整)から立ち上がった時
買い場は2波と4波(上昇中の下落局面)。ただし、買うのはそれが立ち上がって来てから!調整から少し上昇した時です。
またはダウ理論のところで話した『ブレイクアウト』を使って「1波や3波を越えた瞬間に買う」というのも手。
※基礎講座第3回目 トレード手法の種類にもブレイクアウトを含む3つの手法について書いてあります
上のチャートではA波(天井からの下落)→B波(調整のための上昇)と来て、
最後のC波の下落がまだ出ていない様子。
であれば、『ここから下落するのではないか?』
例えばそう考えるわけです。
B波の調整が終わり、A波の安値を下回ったらいよいよC波の下落が待っています。→『C波を売るか!!』と考えたとします。
②【売り場】B波の頂点~下落し始めた時orA波の安値を下回った時
「B波の頂点~下落し始めた時」or「A波の安値を下回った時」以外は売ったら駄目。
B波の頂点なら良いとしても、B波の上昇中は危険だからです。
B波が上昇し切ってから売りを考えるのですが、次の3つが分かっているとBESTです。
- 「どのくらい戻るか?」
- 「天井を越えて行かない理由は何か?」
- 「下落するとしたらどこまで下落するか?」
後は「どこまで下落するか」を計測して、また始まる1波を待つのみ。
簡単ですね。
※C波を売るのはやめて、「やがて来る1波を待つ」というのも一つの手かもしれません。
このエリオット波動原理。
信じすぎるのもどうかと思いますが、確かに多いと言えば多いパターンです。
よく検証して話半分くらいで使う方がいいでしょう。
というよりも、実は難しいので
本当に使いこなすには膨大な月日と研究が必要です。
【紹介】エリオット波動原理について詳しい講座

なお、エリオット波動原理について一発で理解するには、「オンライン学習コース アドバンス講座」をご覧ください。チャートを使った実用レベルは有料ですが、サンプル動画だけでも理屈や概念を理解出来るでしょう。※サンプルだけで20分以上ある(笑)
~この下の難しい話を理解しなくても、この動画の考え方だけでトレードは出来ます~
ではここから、
エリオット波動を使いこなすのはいかに難しいか?という話と、
実際にはどうしたら良いのか?について話します。
本当は難しいエリオット波動原理。
エリオット波動原理でナンバーを使う時のルール

このページでは簡単かつシンプルに説明しました。
しかし実は結構難しい理論です。
- aとかbではなく、A B Cや、(a)(b)(c)、そしてⓐⓑⒸなど規模によって色々と記号を分ける必要があります。
- 9つの波の段階があります。グランドスーパーサイクル スーパーサイクル サイクル プライマリーなど。
詳しくは次の表をご覧ください。
エリオット波動原理の細かな分類、ナンバーの違い
波の段階 | 5つのトレンド波(推進波) | 3つの反トレンド波(修正波) |
グランドスーパーサイクル | Ⓘ~ | ⓐ ⓑ Ⓒ |
スーパーサイクル | (Ⅰ)~ | ⒜ ⒝ ⒞ |
サイクル | Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ | a b c |
プライマリー | ①②③④⑤ | Ⓐ Ⓑ Ⓒ |
インターミディエート | ⑴⑵⑶⑷⑸ | (A) (B) (C) |
マイナー | 1 2 3 4 5 | A B C |
ミニュット | ⅰを丸で囲んだ数字~ | ⓐ ⓑ Ⓒ |
ミニュエット | (ⅰ)(ⅱ)(ⅲ)(ⅳ)(ⅴ) | ⒜ ⒝ ⒞ |
サブミニュエット | ⅰ ⅱ ⅲ ⅳ ⅴ | a b c |
マイナーは推進波1~5と修正波A~Bですから、上のチャートは記号が間違っていることになりますよね。
※上の表のようにややこしい話が色々とあるのですがここではやめておきます(笑)。これを暗記しろと言われたらいやになりますよね?
覚えておいてほしい、エリオット波動の少し難しい部分2つ
- 5波は延長されることがある。加速度的に上昇の期間が短くなって(要するに角度が付いて)行くようなイメージ。
- 三角持ち合いのようなレンジ幅で上下していても、修正波(上昇後の下落)にカウントされることがある。
この2つだけ追加で覚えておきましょう。
※他に、「c波で天井を越えるパターン」などもありますが、そんなことを言い出したら何でもありなので(笑)、このパターンはとりあえず覚えなくても良いです。
まとめます。
エリオット波動原理のまとめ!
- 基本は上昇5波、下落3波。最低限これは覚えるべき。
※修正波は下げ上げ下げの3回で終わる - 1波に対応する書き方はA~C波。(表記の問題)
※ただし、規模によってaや(a)など本来は使い分ける - 上昇5波=推進(すいしん)波。下落3波=修正(しゅうせい)波。こう呼ぶ。
※例外;5波以降も延長する場合がある。修正波は持ち合いで終わることがある
きちんと覚える必要はなく、
「上昇が5波で、下落が3波なんだな!」程度の把握で大丈夫です。
※下落トレンドが出ている時は下落が5波(1~5)で上昇が3波(A~C)となりますが、この記事では分かりやすくするために「上向きに5波ある、上昇5波」という表現をしてあります。
注意;真実は誰も知らない
エリオットさんは1930~40年代に活躍された方ですので、現代において真相を確かめることは出来ません。著書は見つけることが出来ませんでした。次の本がベストのように思います。宜しければ手にしてみてください。※参照;エリオット波動入門
また、現代では大体皆、エリオット波動入門かエリオット波動研究を読んでいる程度です。エリオット波動関連の手法は伝聞に過ぎず、本当の正解はエリオットさんしか知らないという事も理解しておきましょう。
そのため、ここからは
- 私がエリオット波動を利用して売買する時に得意としているパターン
- フィボナッチトレーディングの専門家としてのエリオット波動の使い方
についてご説明します。
私が得意なパターンはB波や2波での転換
この中で、私が得意にしている方法があります。
B波の頂点で売る方法です。
※エリオットを意識しているかどうかは別。実際はしていない。
これだけやっていてもまあ勝てます。
B波は基本的に頂点より下で終わります。高値を越えたらそれは違いますからね。
これを売ります(つまり、二番天井からの売り)。
その後は大きな下落が待っていて、今まで時間を掛けて上昇を買ってきた人を横目に素早く同じだけの値幅を稼げるわけです。
(場合によってはそれより多く)
良いでしょう?(笑)
これが逆張りの醍醐味です。
どうやってB波の頂点(二番天井)を探すのでしょうか。
フィボナッチを使う方法とギャンを使う方法があります。
これらのツールを上手く使えるのなら、押し目買いも戻り売りも簡単に出来ます。
※リンクはフィボナッチ大事典とギャン大事典のセット。あらゆる引き方を網羅した動画教材。
他に、当サイトの名物コース ベーシック講座~フィボナッチプロ講座もオススメ。これが最短で学べる方法です。
FX・CFDトレードの基本!

フィボナッチ×エリオット

フィボナッチを究める。

2波(二番底)で買うには??
上下逆にすれば、2波の二番底が同じような売買ポイントです。
エリオット波動原理とフィボナッチを合わせるには原則的にフィボナッチエクスパンション(FE)を使います。
しかし、2波(二番底)を買う時には次の点を考える必要があります。
- 下落はどこで止まるのか?
- 底値は切り上げたのか?
①強い意味を持つライン(上位足のライン)か、下落目標値の達成を確認してください。
②次に、底値を切り上げて二番底が確定した事を確認します。
要するに、この二番底だけはFEではなく、フィボナッチリトレースメント(FR)も使えないと買えません。
FRが使えるとは?
フィボナッチリトレースメントは最近はユーチューバーなども動画で使っていたりするので、その程度で使えていると思っているのかも知れませんが、ほとんど誰も全く使えていません。
FRが使えるというのは「トレンドの目標値が分かる」「押し目が分かる」「天底でのルールが分かる」この3つは最低限理解していて、実際にあらゆるチャートで瞬時に判断出来る状態を指します。
これが出来ないと今書いた、二番底で買う事が出来ないと分かりますよね?
先ほど紹介したフィボナッチ大事典でも良いですが、あれは網羅性がウリの教材です。もっとシンプルに理解出来るのが「値動きのルール1と2」という動画教材です。この2つを見ているのであればおそらく出来ます。
または、最速で必要なエッセンスだけを学ぶには先ほども紹介したアドバンス講座などに参加してください。
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フィボナッチ×エリオット

フィボナッチを究める。

実際、きちんとフィボナッチを学んで頂かない限り出来るようにはならないのでご紹介しました。
(余談)エリオット→フィボナッチへ興味が移った・・。
私の場合、トレードを始めた頃に”ある本”に出会いました。
エリオット波動の1波と3波の比率、1波と5波の比率などにはフィボナッチ数列が関係している。
たしかFXプライムの口座開設で貰った本※FXプライムは現GMOコインなのでこの本はもう貰えません
これが最初のきっかけでした。それからトレーダー人生が始まり、今では多くの会員様を抱えるフィボナッチトレーディング研究の第一人者となれたように思います。本も二冊出版しました。
独自の研究が進む内にエリオット波動とフィボナッチの関連内容はまるっと忘れてしまいましたが(笑)、フィボナッチだけで相場の天底が分かるようになりました。この方が簡単で、値動きにフィットします。
エリオット波動も良いのですが、私はフィボナッチの研究をお勧めしたいですね。
私の本というのはこちら!読んでみてください。
著書紹介
「極意書 フィボナッチトレーディングの進化論【新版】」
→E-BOOK登場!電子書籍が当サイトで販売中☆ ※実本は完売しました
エリオット波動原理のダメなところ

これはページ上の方で「エリオット波動原理の例(←)」として紹介した、基本の5段上げ3段下げのチャート。
最後はC波になったのだな、と思われましたよね?(笑)
この相場は上に行きました。
エリオット波動原理で間違える原因
- カウントを間違える
- 目標値を達成していない
①波動をカウントする高値安値を間違えたら、今が5波なのか3波なのかが食い違って来ます。そして、波動のカウントはあなたが思っているよりも難しい。
②次に、相場はフィボナッチの目標値へ向かって進むので、目標値に到達していないならまだトレンドは終わりません。
※5波だから天井だと思っていると、7波が出現します(笑)。
エリオット波動原理を使いこなすには?
それではどうしたら良いか?
これで正しくエリオット波動原理をカウント出来るようになります。
理論は応用するもの
現代はこの段階に進んでいます。
実際に反発するポイントをしっかり抑えて、損切りと利食いを正しく置くことが重要!
このページに書いた以上にエリオット波動原理を深掘りしなくても、トレードで利益は出せます。
※そもそも深く知ったところで「後付け(値動きが終わった後)でしか分からない理論」なのだから(笑)。
しかし、それでも”使える売買ポイント”はあります。
それを知れば良いという事。
「エリオット波動原理×エクスパンション」の売買戦略は次の2つをチェックしてください。
エリオット波動原理はフィボナッチエクスパンションを使う事で簡単になるからです。この方法であれば、波動のカウントもしやすくなり、同時に一番重要な売買ポイントを掴めます。
※この下のリンクから動画を視聴してみてください。20分あればもう分かります。


【おまけ】ダウ理論とエリオット波動の組み合わせ
ダウ理論だけで「天底を見抜き、相場の起点で買う」ことは出来るのでしょうか。
このおまけ記事では
ダウ理論にエリオット波動原理を合わせて考えるべき理由をご説明します。
結論から言えば、「天底を取る、二番天井から売る、二番底で買う」という売買がやりたいのであれば、
ダウ理論だけでは難しい。
「実際に安値を切り下げるまで、切り下がる事が分からない」ので、ダウ理論だけでは相場の転換を取るのは難しいのです。
ご説明します。
ダウ理論でも二番底・二番天井を取れるシーンとは?
例;上昇して、天井付近

安値を割れるまでは、高値を切り下げてもまだ持ち合いという認識になります。
このチャートの左側は先に安値を切り下げたのでダウ理論でも売れますが、右側は売れないという事です。
- 「先に安値を切り下げてから→高値付近へ向かった」のなら高値は切り下げるはずだと考えて売れます。※上昇ダウが崩れているから
- しかし、先に高値を切り下げた場合は次に安値が切り上げたらアップトレンドなので、ダウ理論では安値を割れるまで入れません。
一度立ち止まって考えて頂ければ分かるはず。
上昇して天井付近から下落する時の例でした。
つまり、「前の目立った安値を切り下げるまでは下落トレンドに転じることが決して分からない」。
これがダウ理論です。
エリオット波動原理とダウ理論を組み合わせた場合
しかし、「エリオット波動として5波の頂点だと認識した上でB波を待ってから売る」という方法があります。
これなら、B波(二番天井付近)で売れて、2波(二番底付近)で買えます。
こうやってエリオット波動とダウ理論を合わせるのなら、トレンドの転換を早く判別出来る可能性があります。
【結論】エリオット波動原理を売買に活かすコツ!
結論は次のようになります。
相場の転換(大底、大天井、二番底、二番天井)を取る方法
オールマイティなのがフィボナッチ。天底も押し目も捉えらえます。
ギャンファンは幅広いエリアの押し目を捉えられ、フィボナッチファンは急な下落にも対応出来ます。
※リンクは基礎講座ラインの項目(3つ先のページです)
エリオット波動ではどこまで行くかが分からないので、値幅の算出にはフィボナッチの併用が必須です。
※エリオット波動原理はエントリーポイントという面では弱いが、ダウ理論より良い値位置で買える。「これが1波である、これが5波である」という認識のもと、早めのエントリーが可能になるため。
まとめ
まとめると、エリオット波動原理は1波からc波までの上昇5波・下落3波が基本!
今がどの位置にいるかを考えてください。
- 2波と4波の立ち上がり、つまり3波と5波を買いましょう。
- または5波終了後の切り下げで売りを試す事も出来ます。
あなたも得意なパターンを見つけられると良いのですが、
B波や2波と4波からの立ち上がりはオススメ。
沢山書いても原則的にはこれだけ(笑)。そして、『どこで2波が終わるのか?どこから5波が生まれるのか?』
こういった事が売買ポイントのコツです。
ご参考になれば幸いです。
関連記事
- ダウ理論とエリオット波動原理を覚えよう(このコース以外のページです)
※当コースは無料で参加出来るコースです→投資の基礎はタダで学べコースに参加する
次は「ライントレード、トレンドラインを最速で引く方法」です→
トレンドラインを引く時、手動で伸ばして引いていませんか?30秒の動画を観るだけで、一瞬で正確に引けるようになります。