トレードを始める前に2

損失

自分の取りたい値幅しか取ることは出来ない

自分の取りたい値幅しか、あなたは取ることが出来ない。絶対に。

特に重要なことはこれです。

自分の取りたい値幅しか取ることは出来ない」ということ。

トレードは常に「リスク」との戦いです。
自分の大事なお金を投じるわけですから、それを失う可能性があるわけです。
これが心理状態にどう影響するかというと、

  1. 利益が伸びた時に
    「もうそろそろ利益確定しておかなければ、危ないんじゃないか」という考えを生み、
  2. 同時に「もっと利益が伸びるかもしれない」という欲も抱えている。

この狭間で悩むことになるのが、自分の資金を投じて取引をするということの怖さです。


では一人の男の例を考えてみましょう。

彼の月給は25万円だとします。

昨夜ユーロドルを買って寝て、朝起きたら20万円儲かっていました。

ほとんど月給分を寝ている間に稼げたことになります。

ですが、いきなり一夜にして稼いだ金額ですから、
もしかしたら仕事に行っている間に無くなしてしまうかもしれません。

怖くなってきました。

一旦得た利益を失うことが怖くなって仕事へ行く前に利益確定をしたくなる。その一方で
寝ている間に増えていたのだから仕事をしている間にさらに増えるのかも知れない。元々もっと伸びると思っていたわけだし・・』と考えてしまう。

朝チャートを見た時、
伸びた後で少しずつ値が下がって来ている」状態でした。

20万円が、19万円、18万円、15万円まで目減りしてしまいました。

もうすぐ出勤時間です。

結局、朝見た20万円ではなく、14万円の利益で利益確定して仕事へ行きました。

「14万円は利益が出たのだから、良かったのかも知れない・・。」そう言い聞かせるようにして彼は仕事へ出かけて行きました。

お昼時間にチャートを見てみると、12万円に目減りするであろう値段まで落ちてきていました。

よかった。やはり、私の考えが正しかった。でも、どうせ利益を得るなら20万円のところで利益確定しておけばよかったなあ。」そう思います。

夕方になって、仕事ももうすぐ終わりの時間。

気になった彼は、会社のパソコンでチャートを見てみました。

なんと、18万円の利益のところまで復活しているではありませんか!

しまった・・。損した。

彼は悔しくて仕方がありません。

朝の段階から、みすみす4万円も見逃していたことに悔しさが溢れてきます。帰り道も、気になって仕方がありません。

夜、家に付くと19万円のところまで
また上昇していました。

もしかすると、このままさらに上昇していくように見えます。

私の読みは間違っていて、やはりさらに上昇する相場展開なのかもしれない
そんな疑惑が頭をよぎります。

悩んでいると、さらにユーロドルが上昇していきます。
19.5万円、19.8万円、・・。

彼はついに我慢しきれなくなって、
19.8万円のところで昨夜買った金額と同じ金額で買いを入れました。

利益

よし。これでこの上昇相場に乗れたぞ。
そう思って一安心です。

気分が朝の儲けで上々になっていたのかも知れません。

よく考えたら、朝利益を確定したところよりも、ずっと上の値段で買ってしまっています。

でも、彼の中の欲が「まだまだ伸びるから大丈夫。」と囁きます。

しばらく見ていると、アメリカ市場が始まりました。

どうやら今日は指標発表があるので、朝から値が伸びていたのです。

値段が動かなくなりました。

21時半が来て、一気に5万円分下落しました。

損失

大丈夫。すぐに持ち直す。ここを押し目にしてさらに上昇するはず。

と、先ほどさらに伸びるかもしれないと確信した気持ちを思い出して彼は我慢することにしました。

22時が来て、22時半が来て、さらに5万円分下落してしまいました。

もう通算4万円しか利益がありません。

下がっていくようにしか見えません。押し目になると思ったところよりずいぶん下落してしまっています。

仕方がありません。

下がっていくようにしか見えないのですから、ここで損切りです。

危なかった・・

23時になり、少し停滞気味の動きになってきましたが、それでも少しずつ下落しているようです。

損切りをしておいて大正解のようですね!

23時半になり、0時になりました。

えっ・・?

上昇目標値

あっけにとられる彼をよそに、
20万円、21万円と朝一で見た時よりすでに高値にまで登ってしまっています。

どうやら、21時半の指標発表と、0時の指標発表があったようです。

とにかく、1日の動きを一気に30分位で駆け上ってしまっています。

彼は悔しくて仕方がありません。

なぜかというと、昨夜買ったまま持っていたら何の苦労もなく、21万円まで利益が伸びていましたし、
朝一で20万円の利益確定をしていたらそれはそれでよかった気がします。

でも、彼がやったことはというと、
下落したところで決済して、上昇したところで買ってしまったからです。

自分のふがいなさを悔やむと同時に、何とか取り返したいという衝動に駆られてチャートにくぎ付けになっています。

急な上昇だから、すぐにまた下落する!
と思った彼は、最高値から少し下のところで、何とか売りでエントリーすることが出来ました。

・・・もうお分かりだと思いますが、そのまま相場は上昇していきました。


結局彼は、4万円どころか、最後の売りを仕掛けた10分足らずで-4万円なりなんなりを損してしまったのです。

もし彼が長期保有のトレーダーなら、昨夜買ったままずっと明日も明後日も保有すべきですし、短期トレーダーなら朝見た瞬間に20万円か19万円位には利益確定しておくべきでしょう。そして0時にまた買い直すべきです。

奇しくも彼が取った行動により、最初の得たはずの14万円の利益はどこかへ吹っ飛んでしまいました。

結局、ビギナーズラックでたまたま朝儲かっていたお金も
その後の取引で無くしてしまった・・。

宝くじに当たった人が、逆に借金をするようになる話と似ているかもしれません。

彼がなぜそんな行動を取ってしまったか。

正しい行動を取れるトレーダーなら、21万円なり40万円なりを獲得することも出来たはずです。

彼がマイナス4万円になってしまった理由、それが「欲」と、「恐怖」

  • 「もっともっと伸びるかもしれない。」だから高値でも買わないと!
  • 「せっかく得た利益が減ってしまうのは我慢が出来ない」すぐに決済しないと!

この2つを克服しない限り、彼は一生かけてもトレードで成功することは出来ないでしょう。

トレーダーズハイ(一回勝った喜びで、次に甘いエントリーをしてしまう危険な状態)にも陥っていたようです。

この心理的な問題は「誰々さんの何とか法」をいくら学んだとしても、

証券会社にもらったFX本や「今日の為替」ビデオを毎日観ても決して治らない
ダメトレーダーズ症候群(やればやるほど損をしてしまう不思議な病気)です。

あなたもこの病気にかかっていませんか??

だとしたら、いくら指標について勉強しても、MT4に新しいインジケーターを突っ込んだとしても、
絶対に勝てるようにはならないでしょう。

たとえ一回勝ったとしても、彼のように自分でそれを無くしてしまうのですから・・。

利益は、あなたの器の中に入る分だけしか入らないのです。

あなたが40万円までも我慢できないのであれば、それは決して得ることは出来ないのです。

深層心理は、「40万円は高額すぎる。10万円が、2・3万円が1日に得られるせいぜい最高の金額だ」と認識してしまっている。

まずは、これを解消することが先決です。

最初に言いました。

「あなたは何のためにトレードをしますか。本当にやる必要がありますか。」

「あるとすれば、10億円?1億円?100万円?いくら必要で、それで何をするために必要なのですか?」

前のページでそう言っています。

本当に、どうしてもそれを達成するためにお金が必要なのだとしたら、20万円や14万円で満足してどうするのですか?

もし目標が10億円や100億円や、1億円だとしたら。

あなたが本当にそれを欲しているのであれば、40万円だろうと400万円だろうと全然足りないと感じるはず。20万円が、14万円に減ることがそんなに怖いですか?そうだとしたら、一生かかっても10億円はあなたの器の中には入らないでしょう。

どうでしょう?(笑)

更に脅したでしょ(笑)。

もしこれでビビったのだとしたら、
トレードはやめてまじめに働いた方が良いと思いますよ。

※このくらいのプレッシャーや判断は普通に求められます

この問題を解消できそうであれば、または全く問題ないとすれば
次の袋とじを読み進めてください。

解決策が書いてあります。

リスクを受け入れるにはどうしたら良いか。

FXやCFDにはリスクが伴います。もちろん株を買うにもリスクがあります。

※CFD…株価指数、商品先物などを取引出来る差金決済。

では、そのリスクをどう受け止めたら良いのでしょうか。

次に考えて頂くのはそれです。


精神的安定が収益を生む。

投資とトレード

証券会社と契約をして口座を作る時に、

投資は余剰資金で!」と口を酸っぱく言われたと思います。

※実はこれは正しくて、生活資金でトレードをするとろくなことがない。

心に余裕がなくなって
せっかく正しかった判断も誤ってしまうことになりがちだからです。

まず第一の壁は「チャートを見なくても平気」なくらい心に余裕を持つことが出来るか。

「無くしても諦めがつく」位の資金で、「宝くじでも買ったくらい」の気持ちでポジションを取るということ。

「これでやられたら、もう生きていけない!」ではいけないということです(笑)。

分かって頂けると思います。

FXはリスキーなゲームです。

ハイリスクハイリターンなゲームです。

そこに生活を掛けて正常な精神状態でいられなかったとしても、それは仕方のないことです。

ギャンブラーでもない限り(笑)。

精神を安定させるには、
生活と別口座、無くしたお金、返ってこないお金として初めから認識しておくこと。

資金を投入した時点で、もうすでにリスクにさらされていると思ってください。

いつ無くなってもおかしくない。

ポジションを取っていたら、損切りを飛び越していきなり急暴落や急騰することだってあり得ます。

安全ではないのです。

※安全を求めるのであれば、もとよりやるべきではないですが(笑)。

リスクを投じるからこそ、利益が出る。

当たり前のことを言っていますが、
「リスクを買う」のが投資またはトレードです。

リスクはあります。

つまり、お金は無くなる可能性が十分にあるということ。

リスクを敢えて買って出ている、そのことを十分に認識すべきです。

忘れないでください。

リスクを買うのが投資です。

それを忘れた時、あなたはただの臆病者に成り下がってしまう可能性があります。

一円も損したくない。では一円も取ることは出来ません。(笑)

リスクはコントロールするものと考える。

リスクマネージメント

リスクをコントロールすることはトレードにおいて、最も重要なことの一つです。

リスクコントロール。

つまり、損を一定に保ち、損失よりも、利益に傾けること。

損は出ます。利益も出ます。

その比率を利益に大きく傾けるという考え方です。

損を小さく、利益を大きく。

ただそれだけのことです。ですが、
ただそれだけのことが出来れば資金は増えます

資金管理が重要なのはそのため。

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一旦出た利益を失わないための、目から鱗の資金管理テクニックです。
参考にして損失を減らしながら値幅を伸ばしてください。

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※コースに参加して進捗具合を記録しながら順番に進める事をオススメします(長いので)。


では、前置きはそろそろ終わりにして、トレードの基礎を始めたいと思います。

このトレードを始める前の考え方は最も重要です。

是非、後からまた読み返してください。

続きはいよいよ基礎編です→