トレードを始める前に必要な事1
欲と恐怖を乗り越える
自分の取りたい値幅しか、あなたは取ることが出来ない。絶対に。
特に重要なことはこれです。
自分の取りたい値幅しか取ることは出来ないということです。
トレードは常に「リスク」との戦いです。
自分の大事なお金を投じるわけですから、それを失う可能性があるわけです。
これが心理状態にどう影響するかというと、利益が伸びた時に
「もうそろそろ利益確定しておかなければ、危ないんじゃないか」
という考えを生みます。
同時に、「もっと利益が伸びるかもしれない」という欲も抱えています。
この狭間で悩むことになるのが、自分の資金を投じて取引をするということの怖さです。
例えば、あなたの月給が25万円だとします。
昨夜ユーロドルを買って寝たら、朝起きたら20万円儲かっていたらどうでしょう。
殆ど月給分を寝ている間に稼げたことになります。
ですが、いきなり一夜にして稼いだ金額ですから、
もしかしたら仕事に行っている間に無くなしてしまうかもしれません。
怖くなってきます。
当然上昇すると見込んでいたから買っていたわけですが、
あなたは実はもっともっと上昇すると思っていたとしても、
一旦得た利益を失うことが怖くなって仕事へ行く前に利益確定をしたくなるかもしれません。
ですが、その一方で「寝ている間に増えていたのだから仕事をしている間にさらに増えるのかも知れない。元々もっと伸びると思っていたわけだし・・」と考えてしまうのです。
朝見た時、最高値というよりは、少しずつ値が下がって来ている状態のようです。
20万円が、19万円、18万円、15万円まで目減りしてしまいました。
もうすぐ出勤時間です。
結局、朝見た20万円ではなく、14万円の利益で利益確定して仕事へ行きました。
「14万円は利益が出たのだから、良かったのかも知れない・・。」そう言い聞かせるようにしてあなたは仕事へ出かけて行きました。
お昼時間にチャートを見てみると、12万円に目減りするであろう値段まで落ちてきていました。あなたは、「よかった。やはり、私の考えが正しかった。でも、どうせ利益を得るなら20万円のところで利益確定しておけばよかったなあ。」そう思います。
夕方になって、仕事ももうすぐ終わりの時間。
気になったあなたは、会社のパソコンでチャートを見てみました。
なんと、18万円の利益のところまで復活しているではありませんか!
「しまった・・。損した。」
あなたは悔しくて仕方がありません。
朝の段階から、みすみす4万円も見逃していたことに悔しさが溢れてきます。
帰り道も、気になって仕方がありません。
夜、家に付くと、19万円のところまでまた上昇しています。
もしかすると、このままさらに上昇していくように見えます。
「私の読みは間違っていて、やはりさらに上昇する相場展開なのかもしれない」
そんな疑惑が頭をよぎります。
悩んでいると、さらにユーロドルが上昇していきます。
19.5万円、19.8万円、あなたはついに我慢しきれなくなって、19.8万円のところで
昨夜買った金額と同じ金額で買いを入れました。
「よし。これでこの上昇相場に乗れたぞ。」
そう思って一安心です。
気分が朝の儲けで上々になっていたのかも知れません。
よく考えたら、朝利益を確定したところよりも、ずっと上の値段で買ってしまっています。
でも、あなたの中の欲が「まだまだ伸びるから大丈夫。」と囁きます。
しばらく見ていると、アメリカ市場が始まりました。
どうやら今日は指標発表があるので、朝から値が伸びていたのです。
値段が動かなくなりました。
21時半が来て、一気に5万円分下落しました。
「大丈夫。すぐに持ち直す。ここを押し目にしてさらに上昇するはず。」
と、先ほどさらに伸びるかもしれないと確信した気持ちを思い出して
あなたは我慢することにしました。
22時が来て、22時半が来て、さらに5万円分下落してしまいました。
もう通算4万円しか利益がありません。
下がっていくようにしか見えません。押し目になると思ったところよりずいぶん下落してしまっています。
仕方がありません。
下がっていくようにしか見えないのですから、たった今10万円分の損失が出ていますが、とはいえ、まだ4万円は勝っています!
ここで損切りです。
「危なかった・・」
23時になり、少し停滞気味の動きになってきましたが、それでも少しずつ下落しているようです。損切りをしておいて大正解のようです。
23時半になり、0時になりました。
突然、ロケット花火のように急上昇していきました。
「えっ・・?」
あっけにとられるあなたをよそに、20万円、21万円と朝一で見た時よりすでに高値にまで登ってしまっています。
どうやら、21時半の指標発表と、0時の指標発表があったようです。
とにかく、1日の動きを一気に30分位で駆け上ってしまっています。
あなたは悔しくて仕方がありません。
なぜかというと、昨夜買ったまま持っていたら何の苦労もなく、21万円まで利益が伸びていましたし、朝一で20万円の利益確定をしていたらそれはそれでよかった気がします。
でも、自分がやったことはというと、
下落したところで決済して、上昇したところで買ってしまったからです。
自分のふがいなさを悔やむと同時に、何とか取り返したいという衝動に駆られてチャートにくぎ付けになっています。
「急な上昇だから、すぐにまた下落する!」
と思ったあなたは、最高値から少し下のところで何とか売ることが出来ました。
・・・もうお分かりだと思いますが、そのまま相場は上昇していきました。
結局彼は、4万円どころか、最後の売りを仕掛けた10分足らずで-4万円なりなんなりを損してしまったのです。
もし、彼が長期保有のトレーダーなら、昨夜買ったままずっと明日も明後日も保有すべきですし、
もし彼が短期トレーダーなら、朝見た瞬間に20万円か19万円位には利益確定しておくべきです。そして0時にまた買い直すべきです。
奇しくも彼が取った行動により、最初の得たはずの14万円の利益はどこかへ吹っ飛んでしまいました。
結局、ビギナーズラックでたまたま朝儲かっていたお金も、その後の取引で無くしてしまいました。
宝くじに当たった人が、逆に借金をするようになる話と似ているかもしれません。
彼がなぜそんな行動を取ってしまったか。
正しい行動を取れるトレーダーなら、21万円なり、40万円なりを獲得することも出来たはずです。
彼がマイナス4万円になってしまった理由、それが
「欲」と、「恐怖」です。
「もっともっと伸びるかもしれない。」だから高値でも買わないと!
「せっかく得た利益が減ってしまうのは我慢が出来ない」すぐに決済しないと!
この2つを克服しない限り、彼は一生かけてもトレードで成功することは出来ないでしょう。
トレーダーズハイ(一回勝った喜びで、次に甘いエントリーをしてしまう危険な状態)にも陥っていたようです。
この心理的なものは、「誰々さんの何とか法」をいくら学んだとしても、
証券会社にもらったFX本や、「今日の為替」ビデオを毎日観ても、
決して治らないダメトレーダーズ症候群(やればやるほど損をしてしまう不思議な病気)です。
あなたもこの病気にかかっていませんか??
だとしたら、いくら指標について勉強しても、MT4に新しいインジケーターを突っ込んだとしても、絶対に勝てるようにはならないでしょう。
たとえ一回勝ったとしても、彼のように自分でそれを無くしてしまうのですから・・。
あなたが得られる利益は、あなたの器の中に入る分だけしか入らないのです。
あなたが40万円までも我慢できないのであれば、それは決して得ることは出来ないのです。
あなたがどう思おうとも、あなたの中の深層心理は、
「40万円は高額すぎる。10万円が、2・3万円が1日に得られるせいぜい最高の金額だ」
と認識してしまっているのです。
まずは、これを解消することが先決です。
最初に言いました。
「あなたは何のためにトレードをしますか。本当にやる必要がありますか。」
「あるとすれば、10億円?1億円?100万円?いくら必要で、それで何をするために必要なのですか?」
前のページでそう言っています。
本当に、どうしてもそれを達成するためにお金が必要なのだとしたら、
20万円や14万円で満足してどうするのですか?
あなたが本当にそれを欲しているであれば、
40万円だろうと、400万円だろうと全然足りないと感じるはずです。
もし目標が10億円や100億円や、1億円だとしたら。
20万円が、14万円に減ることがそんなに怖いですか?
そうだとしたら、一生かかっても10億円はあなたの器の中には入らないでしょう。
どうでしょう?(笑)
更に脅したでしょ(笑)。
もしこれでビビったのだとしたら、トレードはやめて、まじめに働いた方が良いと思いますよ。
これを解消できそうであれば、または全く問題ないとすれば、
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