ダウ理論の基本と応用・トレードで用いられる理論について
投資理論の種類と説明
投資やトレードにおける理論は色々ありますが、
有名な投資理論の中には実際の相場で有効に働くものが幾つかあります。
本にも書いてあるトレードの世界の一般常識的な理論です!
万が一ご存じでなければこの機会に覚えておいてください。
このページではダウ理論という投資理論について詳しくご説明します。
その前に。
※ダウ理論以外の投資理論について詳しくは別ページで解説しました。リンクあり。
話が脱線しました。本編へ→
ダウ理論とは何か?
ダウ理論は簡単に言うと、
チャールズ・ダウさんが開発したトレード理論だからダウ理論です。
※詳しくは他のサイトにも書いてありましたので見てもらえばいいです。例えばwikiとかね。
私は最も大事なことだけを言いますね。
これですね。
そりゃそうだろ!!
と思われるかもしれませんが、そうですよ。
当たり前のことです。
ですが、これが一番大事です。
安値が切り上がって、高値も切り上がっていればアップトレンド。逆に高値を切り下げていて、安値を切り下げているとダウントレンド。
※「トレンド」とは要するに、そっちの方向へ行くということ。アップトレンドなら上昇する。
「理論として、どちらへ動くのかが分かる」のなら結構貴重ですよね?
ダウ理論を使ったトレード手法が2つある。
切り上げとは何か。切り上げを利用した2つのトレード手法とは?
高値を切り上げているから上がるわけです。しかし、上昇する時は安値も切り上げて行きます。 安値も前の安値よりは下がらなくなっているわけですよ。
これらを利用したトレード手法が2つあります。
『ブレイク』と『押し目買い』です。
ブレイクアウト
高値を切り上げたから買う。
でもこの時、安値も切り上げている必要はあります。
押し目買い
「安値を前の安値より切り上げている」状態で、「高値を切り上げている」と上昇の正しい形です。
逆を言えば、高値を切り上げた後で安値を切り上げる。でもOK。
この2つを覚えておきましょう。
- 上昇相場で、高値を越えたら買うのが『ブレイク』
- 高値を越えた後で安値を切り上げる時に買うのが『押し目買い』
関連ページ
- トレード手法の種類のページで「オーバーシュート・押し目買い・ブレイクアウト」の3つについてご説明しました。
- また、別の観点からのダウ理論とエリオット波動原理の解説が「ダウ理論・エリオット波動原理を覚えよう」のページにも書いてあります。
損切り位置が明確になる。
損切りをどこに置くか?
これが、ダウ理論を利用する上で最も重要なことでしょう。
安値を切り下げなくなるということは、
前の安値の下に置いた損切りは切られないということでもあります。
要するに、ただそれだけで良い。(笑)というのが私が言いたいことです。あくまでも基本ですが。
※高値を越えて買う場合は損切り幅が大きくなりますので注意してください。
ケーススタディ「ダウ理論とトレンドラインを使ったトレード」
それでは簡単なケーススタディをやってみましょう!
本当はダウ理論には、トレンドの始まりから終わりまでの1クールを「序盤、中盤、終盤」「長期、中期、短期」のように時間軸の違いによって考えるという内容もあります。
※冒頭に書いたサイクル理論のようなイメージ
ただ、実際にダウ理論の全てを体現出来ているトレーダーがどれほどいるでしょうか?ネット上にはおそらく、ダウ理論がどうこう言っている配信者が山ほどいるでしょう。しかし、彼らはほぼ全員このページに書いたような基本的な事しか知りません(笑)。
そうなのです。
今回はこの2つを使ったケーススタディです。
相場の三段階。序盤=先行期の例
次の値動きがどうなるか?を考えながら読み進めてください。
相場の1クールを考えた時、最初に大きな下落があるはず。
その下落の後、大底からトレンドは始まります。
トレンドの最初は小さな値動きから始まることが多いですね。
高値安値を切り上げも切り下げもしなくなった。
この状態を「持ち合い」と定義するのがダウ理論です。
ご存じだとは思いますが、万が一この話の内容が理解出来なければ、ほぼトレードは不可能です。
確実に腹に落とし込む必要があります。
雰囲気で考えてるわけではないのです。理論には厳密な定義があります。
高値安値のどちらかを抜けたらトレンドが発生し、そうでない限りは持ち合いになる。
これを覚えておいてください。
底値圏の持ち合い抜けはトレンドラインで分かりやすくなる
このチャートにはトレンドラインも引いておきました。
「持ち合い」の時にはトレンドラインを引きましょう。
高値の切り下げと安値の切り上げにトレンドラインを引くとどうなるでしょう?
「三角持ち合い」であることが判明します。※上のチャートでは安値切り上げに引き忘れています
三角持ち合い▶を上抜けた。次はどうなるか?
- アップトレンドが判明してから、次に安値を作った時に買う方法が
『押し目買い』 - 高値を越えた時に買うのが『ブレイク』
ちなみに、出来る限り早い相場の序盤で「上昇が確実になった(=下落しない)」と認識して
「実際に買える!」と判断出来る(そして行動に移せる)ほど、有利な立場に立てます。
ただし、この場合は相場構成の序盤なので、まだ「勢い」はありません。
勢いがない相場をブレイクで買うとこうやって戻るので、何度も戻る序盤(先行期とダウは言うけれど同じこと)では押し目買いの方が上手く行きやすいでしょう。
そんなにがっつく必要はありませんよ。戻るのだから。
※序盤は何度も戻る事が多い、と覚えておいてください
押し目買いのタイミングはこれ!
『どこまで戻る?』『どの値位置で押し目買いをしたら良い?』と次は考えるでしょう。
買う値位置はフィボナッチで簡単に見つかります!※後ほど、フィボナッチの項目でご説明します。
話を戻して、問題です。
Q;「高値を切り上げた。安値も切り上げた。ではこの後どうなるでしょう?」
相場の三段階。中盤=追随期
A;「次の高値も切り上げる。つまり、結果として上昇した。」
そうですよね?
冒頭でダウ理論についてこう書きました。
私はその中で最も大事なことだけを言いますね。
アップトレンドは『高値・安値の各々がその前の高値・安値より上にあるもの』と定義し、
ダウントレンドは『高値・安値の各々がその前の高値・安値より下にあるもの』と定義する。これですね。
そりゃそうだろ!!
と思われるかもしれませんが、そうですよ。当たり前のことです。
ですが、これが一番大事です。
安値が切り上がって、高値も切り上がっているとアップトレンド。
逆に高値を切り下げていて、安値を切り下げているとダウントレンド。
トレンドという事は要するに、そっちの方向へ行くということ。
それでは我々トレーダーが、ダウ理論を活かすには何をしたら良いのでしょうか。
正解は2つあります。
ダウ理論を活かした売買方法のまとめ
1つ目。高値を越えた時に買って、さらに値が伸びるのを待つ。
これが「ブレイクアウト」というトレード手法。
ブレイクでは「勢いがある」と判断出来るとベスト。勢いがなければ押し目を作りに戻るからです。
という考え方に基づいたトレードなら高値掴みで損失を抱えるケースが減るはず。
2つ目は、押し目を待って安値で買う。
「押し目買い」です。
ダウ理論を加味した押し目買いは前の安値を切り下げなければ前の高値を越える、と考えます。
しかし
- 「何割戻したら買うのか?」
- 「高値を越えたとして、どこで利益を確定するのか?」
についてはダウ理論では分かりません。
とりあえず次の内容を覚えておいてください。
『買い遅れてしまう!』という焦りや欲を捨てれば下落を待てるはず。
ダウ理論の応用(押し目買いについて)
押し目買いの値位置について
ダウ理論では「切り上げるか切り下げるか」が重要だとお話しました。
『安値を切り上げれば、次は高値を切り上げるのではないか?』という想定の元、次の値動きを考えます。
だから押し目買いをして前の安値下に損切りを置くわけですが、その時
「前の安値を割れない」というだけでは買いにくい事があります。
幾らで買えば良いのかが分からないからです。
その時必要なのが「高値を切り上げる前提で買って行く」ための値位置
「押し目買い」を行う時に、フィボナッチの値位置が分かっていると上手く行きやすいです。
例えばこのチャートでダウ理論による安値切り上げだけで買おうと思っても、幾らまで押すのかが分かりません。
そこでフィボナッチのラインを引きました。
このように毎回戻りの値位置は異なります。
なのでフィボナッチもただ引いていれば良いわけではありませんが、これが無ければ
買う値位置の目処すら立ちません。
前の安値ギリギリまで戻るのか、それとも浅く跳ねて行くのか?
この判断を正しくするためには、もっとフィボナッチを知れば出来るようになります。
※つまり引き方は一つではない。
例えば時間軸を変えて引く方法、上下に引く方法、フィボナッチエクスパンションを合わせて考える方法、フィボナッチファンをフィルターにして勝率を上げる方法など。
精度を高める事が押し目買いには必要なのです。
売買の精度を高めるには?
売買する時、我々に可能な行動は
「どこで入ってどこで出るか」そして、「何枚買うのか」だけ。
このエントリーエグジットの値位置の部分が明確ではないので
ダウ理論だけでは売買は成立しないのです。
ダウ理論の高値安値の切り上げの話はあくまでも、環境認識と値動きの方針(導いてくれるガイドライン)のようなもの。
このような認識が良いでしょう。
実際のエントリーエグジットはフィボナッチの値位置で行うと正確になります。
トレンドの注意点(利食いについて)
ラインにぶち当たるまでトレンドはいつまでも継続する
ダウ理論による高値安値の切り上げが継続するからどんどん買って行けるわけですね。アップトレンドです。
ただ、いつかトレンドは終わります。
こうやって上昇トレンドが続いているようでも、ラインに当たれば終わりです。
ちなみにこのラインとインジケーターは
当サイトで販売している『仕込みテンプレート3S』。
チャートに表示しておいた方が良いですよ。
これは日~年の仕込みという手法を可視化したインジケーターで、いつも相場はこれらの値位置を基準に動いています。
ご存じでしたか?
※指標のところで私はインジケーターを使わないと書きましたが、この3Sだけはいつも表示しています。
※もちろんスリースタータードットジェーピーのオリジナル手法です(ものまねの手法は販売していません)。
これ(下落)に巻き込まれないためには・・・
どこに≪相場が目指していたラインがあるのか≫を常に考えましょう。
トレンドが目指しているラインとは?
下落すべき値位置に到達すると急に、それまでの切り上げから→切り下げに変わります。
「随分切り下げてから下落トレンドに変わったと認識する」でも結構ですが、前もってそのライン(値位置)を知っておいた方が有利です。 ダウが切り上げ続けるから買って行く→いずれ切り下げる。
切り下げてから『下落だ』と認識するのでは遅すぎることもあるのです。
また、「重要なラインでの切り下げ」と「目標値が先にある場合の切り下げ」では意味合いが異なります。
※少し難しい話ですが、目標値(ライン)が先にある場合は、その後切り上げてさらに上昇して行きます。
そのため、「目標値までの上昇を達成したら→下落に転じる可能性がある」ということを認識出来るようになると、ダウ理論はさらに上手く活用出来ます。
言っておきますが、一筋縄ではいきません。 どこで反転するかは、しっかりとラインを学ぶ必要があります。
フィボナッチとダウ理論を合わせて使用する考え方
基本的にはこの2つ!
- アップトレンドが確認出来たら買い、アップトレンドが継続する限り保有する
- 目標値に達するまで保有し、ダウントレンドへ転換しないか?に気を付ける
切り下げてから利益を確定するか、切り下げることを察知して利益を確定するか。
当然、切り下げる(であろう)ことを察知出来るトレーダーの方が高値で売り抜けられます。
ただ、目標値の算出にはフィボナッチを使ったトレードをする必要があります。
種類はいろいろありますが、最も簡単にマスターできるラインがあります。そして有効性は極めて高い。
このラインが現れない日はここ最近一度も見たことがありません。
まずはここから。
『史上最も簡単で、最も正確な読みのできる(値位置に対しての)FXとCFDの取引方法』
結局はこれがよく解ったという会員様は多いです。
(超簡単ですから。(笑)ただし、「最も正確」ですが。)
また、上に載せたチャートのラインは『仕込みテンプレート3S』と言い、当サイトで販売しているものです。
※指標のところで私はインジケーターを使わないと書きましたが、この3Sだけはいつも表示しています。
まとめ
ということで、今回は
- 安値の下に損切りを置く
- そして、高値を切り上げたら買う
- 高値を越える前に買ったら、その後高値を越えたことを確認する
この3つを覚えておいてくださいね。
基本を言っているので、当たり前じゃないか!と怒るのはナシですよ(笑)
エリオット波動原理の使い方が分からないと、相場構成も分かりません。ダウ理論だけでは場当たり的な高値安値の切り下げ切り上げだけになってしまいます。
(その他、参考ページ)(当コース以外)
ダウ理論とエリオット波動原理について別の観点から解説しました。
→「ダウ理論・エリオット波動原理を覚えよう」のページへ
