市場の相対性理論-FXで本当に見ておくべきは相関関係

  • FX&CFDマーケットの相関関係を利用する方法をご紹介します。
  • 金利とインデックスに注目すると為替の取引は上手く行きやすい!

「市場の相対性」は私が2013年頃に考えたアイディアで、FXとCFDマーケットに特化した売買戦略です。

では市場における相対性理論とは何か。

相対性と言えばこれだけど
言い忘れましたが、アインシュタインとは関係ありません(笑)

FX相場の相対性理論(相関関係を使う)

株、株価指数、商品先物、債券、インデックス、為替・全ては関連している

複雑に絡み合った市場の関係性を「市場の相対性」と呼んでいます。

分かり易く言うと、

  • ドル円が上昇している。この時、金が下落することが多い。
  • 日経平均の上昇とドル円の上昇が同時に起こることが多い。

 というようなことです。

それらは同時に起こることもあれば、関連性が変わることもある。

時にはドル円と金が同時に上昇することもある。

そう。

相対性は、時期によって変わるもの。

ペアを変えながら、一緒に歩んでいくといういわば浮気性のカップルです。(笑)


正式な名称;相関関係

相対性チャート

なお、投資の世界で(相場用語で)この市場の相対性は「相関関係」と言います。

ただし、「市場の相対性理論」は私が考えたFXとCFDに特化した理論で
より実用的に、トレードに活かすことが出来るように考えられています!

特に短期トレードで値動きの正答率を上げることを目的として開発された

  • 一方が上がればもう一方が下がる。
  • あちらが上がればこちらも上がる。

そんな、役に立つ知識なのです。


市場の相対性を知らないとどうなるか?

まず一つ言えるのは、『単体の市場ではフェイク(ウソ)が多い』ということ。

もしも分かり易く上げと思えば上がり、下げと思えば下がるのならば誰でも勝てます。

でも現実はそうではないのです。


長い持ち合いの後、急に上がったり下がったり・・

動き出すまでは誰にも分からない・・。

つまり、予備動作がなく動き出すということ。

これは空手と似ています。

空手1

空手では、拳を繰り出す時、「どう動くか」を筋肉の緊張で悟られないようにしながら次の瞬間で拳を突き出す。

相手に読まれないように。

これと全く同じことが相場で言えます。

動き出すまで分からない。そして急に動く。

しかし、空手でも相手の拳ではなく、足を見ていたらいつ撃ってくるのかは分かります。

足を踏み出さなければ、拳は当たらない。

空手2

だから一歩踏み込む。

踏み込むことが分かれば、容易に避けられる。

ドル円が動き出す前、日経平均やNYダウを同時にチェックしていたならどうでしょうか。

つまり、基幹となる市場を常にチェックしておく必要があります。


何に影響されて、その市場が動いているのか』。

この意識があると無いでは、勝ち負けに大きな差が出てしまうのです。

FXとCFDの相関関係図(これが基本!)

値位置・時間・他市場の値動きを重視して教えています
値位置・時間・他市場の値動きを重視して教えています
  1. ナスダック市場の影響がNYダウやS&P500へ及ぶ
  2. 米国株価指数→日経平均へと波及して来る
  3. 日経平均→クロス円やドル円にも影響が及ぶ

一番分かりやすく言えば、「基幹商品」の方向性に「追随商品」の方向性は沿う。

いつもこのように説明してます。

基幹商品は色々ありますが、マーケット全体を通した時には次の4つが重要です。

  • ナスダック市場
  • 米国2年債利回り
  • 米国10年債利回り
  • ドルインデックス

FXCFDマーケットの中で目立った動きをしている市場が無ければ、これらの市場を見ておいてください。

※CFDマーケットとは…株価指数、金、原油、米国金利、米個別株のこと

※目立った動きとは?…例えば金や原油が暴騰していて買われ過ぎて注目されている場合は他市場に影響を与える。

もちろん、ナスダックは個別株の集まりですから、ナスダックの「基幹商品」は何?と言った時には一番時価総額が高い米国株になります。

例えば、マイクロソフトとかNVIDIAとか。度々変わりますが。

M7それぞれの値動きを見ておけば大丈夫です。

※M7 …マグニフィセントセブン(Magnificent 7)
マイクロソフト、メタ(フェイスブックの会社)、Amazon、Google(アルファベット)、NVIDIA、Apple、Tesla

では、早速次へ行ってみましょう!


話の続きがあります。

取引の枠を広げる

各市場のフェイク(ウソ、ダマシ)と戦うために、またはそれを見抜くために
他の市場を見ておかなければならないことは先ほど話ししました。


そして、「基幹となる市場を見ておかなければならない」こともご理解頂けたと思います。

では、取引する市場以外で見ておかなければならない市場とはなんだろう?

まずはこの命題に取り組みましょう!

基幹商品を探せ!まずは債券と金利を抑えよう。

債券

為替の基幹商品は、為替ではない。

重要なのは①株②債券③インデックス

この3つです。は分かると思います。

債券について簡単にご説明するのであれば、
金利が上がると下落し、金利が下がると上昇する」傾向にあるものが債券です。

※インデックスについては後ほど。

つまり、債券と金利は逆相関関係にあります(逆に動く)。

そして、その金利が株価に影響を及ぼすのです

相関関係は厳密な表現をすれば「相関係数」と言われるものです。

‐1~1の間で表され、ー1(マイナス1)に近いと逆相関関係がある。1に近いと正の相関関係がある。

覚えられるなら覚えておいた方が良いですが、これが分からなくても理解出来るように説明します。

※ちなみに私はFPです。この手の話が苦手な方は一度、ファイナンシャルプランナーの試験勉強をしてみると良いでしょう。本屋さんに行けば沢山ファイナンシャルプランナー関連の本が並んでいます。


金利とは国債の金利の話。

日本国債・米国債など。主に、CFDでは米国債金利を重要視します。

  • 米国10年債利回り(US10Y)
  • 米国2年債利回り(US02Y)

この2つを見ておけばOK。

Tradingviewのウォッチリストに入れて、常にチャート分析しておいてください。実際に取引する市場の分析より、この2市場の分析の方がよっぽど価値があります。特に長期的な為替の流れは米国金利が作り出します。

この米国債利回りと米国政策金利が一番重要!

政策金利と国債利回りは違います。

政策金利は数か月に一回発表される、その国の金利です。

米国債利回りは債券が市場で売買されており、債券トレーダーが買うと下落し、売ると上昇します(シーソーの関係)。

米国債利回りが他市場に多大な影響を及ぼす事を考えると、米国債の債券トレーダーが世界のマーケットを支配しているといっても過言ではないかも知れません(笑)。

※ドル円・日経平均では日本の政策金利も重要です。

FOMC、日銀金融政策決定会合の日程は必ずチェックしておきましょう。

【覚えておくべき内容】

  • 金利が上がると、株が下落しやすくなる
  • 金利が下がれば、株は上昇しやすくなる

そうは言いながら(笑)、たとえ金利が上がろうと株は上がろうとするという勝手な市場ですが。教科書的にはこれで正解です。

  • 金利が上がればその国の通貨は買われやすくなる、という点も覚えておきましょう(基本です)。

例えば、米国金利が上昇すれば米ドルが上昇するでしょう。※US02Yが上昇→USDJPYも上昇

金利が高ければその国の通貨は買われますし、金利が低ければ売られやすくなります。

まとめると・・

  1. 債券は金利と逆へ動く
  2. 金利が上昇すると、株が下落し通貨が買われる
  3. 金利が低いと、株が上昇し通貨は売られる

ただし、金利が上がっても株は買われる事がよくある。為替は国債利回りの方向へ動く。


どの債券を見たら良い?(何度でも言う)

この債券をチェック!

特に重要な金利は、米国10年債利回り

これはドル円を売買する時に見ておくと良いでしょう。ユーロドルでもかなり重要になります。

この長期金利は最も重要な指標で、株にも株価指数にも米ドルにも影響します。

私は10年債利回り2年債利回りを必ずチェックしています。

その差異(イールドカーブ)を見て考えているような人は、ファンダメンタルズ大好き♪または経済学部の方でしょう。しかし経済にあまり興味がないトレーダーも、出来ればそこまで見てください。

トレードをするなら、米国10年債と2年債の利回りをチェックする(マストです)


インデックス(株価指数とドル指数)について

インデックスとは『指数』のこと。

FXでよく使うのは「ドルインデックス」。そして、「株価指数」もインデックスです。

株価指数は言わずと知れた日経平均株価や、NYダウ、ナスダックなど。

なぜ株価指数を見る?

どの株がマーケット全体を引っ張っているのか」は
あなたが株トレーダーでない限り(しかも海外の)、把握しておくことは極めて困難です。

しかし株価指数であればどんな状況にあっても、個別株全体の傾向を表してくれます。

※とは言え、現在の米国株はGAFAやM7などという名称で分かりやすくハイテク関連株が引っ張っています。ラッキーですね!

そして、その株価指数という平均値を見る事で
現在の景気やリスクオンオフを知る事が出来ますが、個別株1つではそれは出来ません。

だからこそ皆、株価指数を参考にして売買しています。


株価指数に影響されて為替(FX)も動く。

個別株については元々このサイトには詳しく書いていないので、
あなたはおそらくFXトレーダーかCFDトレーダーか先物トレーダーだろうと思います。

であれば、米国の株価指数をマーケット全体の傾向としてチェックするのが良いでしょう。


  • 私はナスダックが一番重要な市場(基幹商品)だと考えています。(10年債利回り以外では)

いや、NYダウだ、とかS&P500だ!という方もおられるかも知れませんがここ10年はナスダックが最強でした。

「ハイテク関連株が集まるNASDAQ市場だから強い」という考え方も出来ますが、私の場合は単に、10年以上ずっと「ナスダックが上がれば他の株価指数が上がり、ナスダックが下げたら他も下がる」そんな値動きを見続けて来たので「ナスダックを重要視すべきだ」という話をしています。

私はそれほどファンダメンタルズ分析に強いというタイプではありません。

値動きからだけ、真実を見極めます。

その一つが基幹商品からマーケット全体を見る「相場の・市場の相対性理論」というわけです。

※相場の・市場の相対性・・・CFDとFXに特化した市場の相関関係の見方(私が命名したもの)。


  •  為替市場は株価指数の影響を受けます。

覚えておいてください。

為替トレーダーがこれを忘れてしまったら、とんでもないことになりますよ(笑)。リスクオン・オフを間違えてしまうからです。

  • また、日経平均先物のトレーダーもナスダックをチェックしましょう。

日経平均には、ナスダック→NYダウ→日経平均の順で波及することが多いです。

※ナスダック→日経平均と考えても問題ありません※ちなみに、昼間の日経平均の動向が米国株価指数の参考になる時もある

ドルインデックス(DXY)は基軸通貨米ドルVS他の通貨の平均値

もう一つおススメしているインデックスについてお話しておきます

ドルインデックスは円・ユーロなどと比較して「米ドルが強いか弱いかを表す指数」です。DXYは主に対ユーロのレートになります。USDOLLARはユーロ・円・ポンド・オージードルの4つとの比較。

数種類のドルインデックスがある。DXY(USDX)、USDOLLARで検索。重要なのはこの2つ。どちらにも円とユーロは含まれる。

DXYとUSDOLLARという2つの銘柄(Tradingviewで見られる)の構成比率の違いは、一番上にある動画で説明していますのでご覧ください。


この指数で米ドルの価値自体がどうなのかを知ることが出来ます。

米ドルの価値が下がれば(=ドルインデックスが下落したら)円高ドル安になる。

この場合、日本円の「対ドル価値」が相対的に上がるので、ドル円でいうと下落するわけです。

つまり、ドルの価値を計るパラメーターを見ながらドル円を取引する。

これが重要です。

ドルインデックスが下落するのであれば、ドル円も下落する。

だからドルインデックスの動きを見て、ドル円の今後の動きを予測するということですね。

米国金利とは短期的に異なる方向に動く事がありますが、ドルインデックスならリアルタイムで同方向へ動きます。これは特にDXYの構成比率が高い円とユーロについて有効な手段です。ドル円とユーロドルを取引する際は絶対に見ておいてください。

円インデックス(JPYX)

ただし、ドル円に関してはもう一つの観点。円インデックスも見ておく必要があります。

JPYXという銘柄をTradingviewでウォッチリストに入れておいてください。

円の価値を相対的に表すインデックス(指数)が円インデックス。

ドルイデックスと円インデックスを見ておけば完璧です。


【インデックスのまとめ】

  • ドル円より、ドルインデックスが基幹商品と言える
  • ドル円には、NYダウや日経平均が影響を与える
  • その日経平均にはナスダックが影響を与える

ということで他の市場からの影響を受けてしまう以上、基幹となる市場を見ておく必要があるわけです。

基幹商品を見ておく。これを徹底し、基幹商品に追随する商品を売買する。

そうすることで、動き出す前に値動きを捉えられます。

トレードでは「どん」と動いてからでは遅い。動く事と方向を事前に知っている方が有利。


FXトレーダーがするべきこと

あなたはきっと、FXトレーダーなんだろうな、ということで話を進めていますが

FXトレーダーはまずCFD口座を開き、株価指数や商品先物などを取引することをお勧めします。実際に取引もせずにただ市場を見ていても、おそらく感覚がつかめないと思うからです。


まずは口座を開いて一つでもやってみることが重要です!

今は各FX会社がCFDにも取引の幅を広げているので簡単に始めることが出来ます。お手持ちの証券口座にはCFDがないか、一度チェックしてみてください。もしCFD口座が無いようなら、次の話が参考になれば幸いです。

おススメのCFD口座

クリック証券

一番簡単にCFDを取引出来るのはクリック証券

CFDの取扱商品数は少ないですが、だからこそ分かり易いという特徴があります。また、独自アプリの売買でスリップページがほとんど発生しないので、エントリー時のミスがありません。

この証券会社の問題点は3つ(ただし私が利用しているところなので、もちろん良い証券会社!)。

  1. 後場が終わった15時半~17時半まで資金の移動が出来ない※FXとCFD間で資金移動している人は、欧州オープン時に資金が入っているか注意してください
  2. 相対取引(あいたいとりひき)なので、儲けすぎたら出金拒否されたという事例も。※こまめに出金しておけばOK
  3. チャートシステムは分析の精度が低い。※Tradingviewを使いましょう

IG証券

CFDでは取扱い商品数がとても多い証券会社と、少ないところが有ります。

取扱商品が多いところは、IG証券と、サクソバンク

しかし取扱いが多ければ良いというものでもありません。最初は迷うだけですし、むしろ少ない方がいいとも言えます。

この2社が国内で一番多いCFD銘柄を保有しています。

また、海外FXでもCFDを取り扱っているところがほとんどなので、MT4かMT5でXMやAxioryなどを使うのも手。海外は会社が多いので他にも沢山あります。入出金は面倒ですが一攫千金を狙うならやってみてください。


結論として

まずはクリック証券くらいは開設しておくと、FXもCFDも両方とも取引可能になるのでオススメ!

しかし国内業者はレバレッジが低いため、一か月で資金を2倍3倍とかは無理です(笑)。私も月に資金の30%増やすくらいしか出来ません。※よほど動く月でなければ


FXトレーダーが市場の相対性(相関関係)を利用するためには?

  1. MT4やMT5で、FXもCFDも見られる状態にしておく
  2. Tradingviewに登録しておく

①私はMT4ではXM(エックスエム)のチャートをよく見ます。最新版がMT5。※これは好みが分かれます

MT4とMT5は主に、海外FXで利用されます。

→MT4 →MT5

※これらはMetaクォーツ社のホームページです。ダウンロードするならこちら。

ただ、証券会社と契約するとその証券会社のロゴ付きのMT4やMT5をダウンロード出来るので、それでも良いですね。性能や中身は同じです。

②簡単にCFDのあらゆるチャートを見る方法がありますのでお伝えしておきますね。

Tradingviewというサイトで株、FX、先物など様々なチャートが見られます。

→Tradingviewへ →Tradingviewの料金はこちら

※トレーディングビューは、オンライン完結型のチャートシステム。MT4のように、アプリをダウンロードしておく必要はなくインターネットさえあればOK。

最近はMT4はMT5へ流行が移りつつあります。また、Tradingviewはほとんどのトレーダーが使用しています。

Tradingviewでは相場分析も投稿出来ます。配信する事は自分自身の分析の精度の向上にもつながりますので試してみてください。私も毎週投稿しています。ぜひフォローして読んでください。めちゃくちゃ当たりますよ。→私のページへ

FXトレーダーがCFDの値動きを利用する方法まとめ

相対性を利用するための方法
相対性を利用するための方法 ※図はアインシュタインですが、市場の相対性の話です。
  1. まずは基幹商品を探す。
  2. そして、その市場を取引してみる。

基幹商品はCFD市場にあるので、CFDの取引方法をご紹介しました。

まずはCFDのチャートを見て、どこかの証券会社で日経平均やナスダックを買ってみる。海に思い切って飛び込んでみるわけです。そうすることで泳がなければ溺れてしまうし、本気で分析出来るようになるでしょう。

※少なくともCFDのチャートを見れる状態である必要があります。最低限Tradingviewは登録しておくべき。

※もっと詳しい証券会社の話は基礎講座の最初「基本-最初の登竜門」を読んでください。


まとめ

FXやCFDを始めるなら・・まずは、
MT4でデモアカウント(どの会社でも良い!)を作成して練習あるのみ。

今回学んだFXとCFDの相関関係(市場の相対性理論)を活化して利益に繋げてください。

TradingviewにUS02YやUS10Y、DXYやUSDOLLAR、ナスダック(US100、NAS100)、円インデックス(JPYX)もあります。

これらの市場をウォッチリストに入れておき、
毎日分析するようにしましょう!

相対性の話、最後はこちら「反対に動く市場」→